「なぜ骨は点在しているのか」山梨の人骨 母親と親族関係“矛盾なし”専門家解説(2022年5月12日)

先月、山梨県道志村の山中で見つかった人の頭の骨の一部について、警察はDNA型の鑑定を行った結果、3年前に近くのキャンプ場で行方不明になった小倉美咲さん(当時7)の母親と親族関係にあることに矛盾はないと発表しました。

今回の鑑定は、細胞内にあるミトコンドリアのDNA型を調べるもので、母親の親族関係は確認できますが、頭の骨が美咲さんであると特定することはできないということです。

両親には報告・説明をしていて、母系の親族に行方不明者がいるのかについては捜査中です。警察は、美咲さんの可能性はあり、継続して捜査し、今後、総合的に判断していくとしています。

今回、鑑定結果が出た頭の骨は、枯れ沢の下の方で見つかりました。その上流で、先月28日に右足用の運動靴、29日に左足用と、左右の分からない靴下1枚が見つかっています。今月4日には、人の右の肩甲骨と、長袖の黒いハイネックの服が発見されています。

衣服と靴については、いずれも美咲さんが行方不明当日、身に着けていたものと非常に似ています。さらに、今月12日、2つの骨のようなものが発見されています。いずれも長さが15センチほどの棒のような形で、人の骨ならば、腕や足の可能性があることが分かっています。

当時捜索を手伝った佐藤友文さん:「不思議は不思議。あんな高いところで。どうして子どもがあんなところまで行けるのかなって。いなくなった沢から急斜面を登って尾根へ出て、尾根より反対側だから。そんな方まで普通行くなんて考えない」

枯れた沢は、キャンプ場から直線で約600メートルの距離にあり、最大斜度が45度という急斜面。大雨が降ると、水が流れるようになるといいます。

当時捜索を手伝った佐藤友文さん:「本当はその夜のうちに見つかればよかったが見つからない。きょうもいない、きょうもいないと繰り返しだった」

警察は事件・事故の両面で捜査していて、13日以降も現場での捜索行う予定です。

◆現場に何度も足を運んでいる、元埼玉県警捜査1課刑事・佐々木成三さんに聞きます。

(Q.枯れた沢はどんな場所ですか?)

山道は通っていますが、私1人でもかなり危険な場所です。舗装されていない山道の急斜面を上っていかないといけない場所です。2年8カ月前、捜索隊述べ約1600人が捜索したのが、キャンプ場から半径5キロの範囲で、今回見つかった場所も重点的に捜索していました。

(Q.現在の状況から言えることはなんですか)

ミトコンドリアDNA鑑定は個人特定はできないので、見つかった骨が美咲さんだと断定できない状態です。完全白骨化されている状態というのは、一般的に考えると、亡くなったのはかなり前だと推測できます。さらに、堆積した腐葉土の中から見つかりました。長期間その場所にあって腐葉土が堆積し、土砂災害や雨などで流れ出した可能性があります。

(Q.なぜ今になって見つかったのでしょうか)

私も疑問です。なぜ今になって、枯れ沢に点在する形で色んなものが見つかっているのか。当時、枯れ沢や子どもが行けない場所も、警察がローラー作戦で綿密に検索しています。今は40~50人態勢で数週間にわたって検索をして、これだけ見つかっているのは不思議だと感じています。

ポイントは、なぜ骨などが点在している状態で見つかっているのか。これまで2年8カ月の間に、土砂崩れが起きていて、今までの気候条件や地形の専門家も含めて考えなければいけないと考えています。

(Q.今後、身元を特定するためには何が必要ですか)

美咲さんだと特定されていませんが、遺体が見つかっているのは揺るぎない事実です。残された家族のために、まずは全ての骨を見つけたいというのが、警察の考えだと思います。さらに、骨が部分的であっては、警察も1人の遺体かも断定できません。まずは全身の骨を見つけて、DNA鑑定を進めて、身元を特定することが真相解明には必須だと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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