各国からの軍事物資が到着するなか、ウクライナ軍が攻勢に転じてきている地域も出てきています。傍受されたロシア軍兵士の通話から、ロシア側に多くの犠牲が出ている実態が明らかになってきました。
■製鉄所にまだ市民「100人以上いる」
ロシアの「戦勝記念日」の夜、南部オデーサではミサイル攻撃を受け、火災は商業・娯楽施設に燃え広がっていました。
街のほぼ全域が制圧されたとみられる東部・マリウポリ。“最後の砦”アゾフスタリ製鉄所では、11日にも、化学兵器が使われる可能性があると警戒が広がっています。
民間人の避難は終わったとされていましたが、ドネツク州のキリレンコ知事は、次のように話します。
ドネツク州・キリレンコ知事:「(Q.製鉄所に、まだ市民はいますか?)まだ、100人以上いることは確かです」
■「武器貸与法」軍事物資を迅速提供
そんな厳しい状況が続くなか、アメリカはウクライナへの軍事支援を加速させています。
バイデン大統領:「これから署名する法案は、ウクライナ政府とウクライナ国民を支援する我々の新たな重要な手段となり、これによりウクライナは、プーチンの残忍な戦争から国と民主主義を守れる」
バイデン大統領は11日、「武器貸与法」に署名し、法律を成立させました。手続きを簡略化し、軍事物資を迅速に提供することを可能にするものです。
世界各国からウクライナに届く、武器をはじめとする軍事物資は、侵攻を続けるロシア軍に対して、一定の成果を上げているようです。
イジューム・マツォキン副市長:「最近、海外から提供された武器が届いた。オーストラリア、スロベニア、チェコ、ポーランドから色々頂いた」
こう語るのは、東部イジュームの副市長です。
ロシア軍が制圧していたイジュームでは、ここ最近、ウクライナ軍が反転攻勢し、11の村を奪還したと発表しました。
■“ロシア兵”の音声「屍が山積みに」
苦戦を強いられているロシア軍。それは、ウクライナ当局が公開した、ロシア兵とみられる音声からも分かります。
ロシア兵とみられる音声:「兵士は立っていて砲撃されている。司令官は『後ろに下がるな!』と言う。なのに、彼自身はソファに座って飲んでいる・・・」
家族:「あいつらは、そんなもんさ。テレビや映画館じゃあ、かっこいい指揮官が登場するけど。こんな戦争、クソくらえだ!」
士気の低下をうかがわせる会話。さらに、ロシア兵と家族の間で交わされたとみられる会話では、ドネツク地方で、ロシア兵の犠牲者が多数出ていることをうかがわせる会話がありました。
ロシア兵とみられる音声:「あそこは屍(しかばね)が山積みになっているそうだ。あそこはまるで、ゴミ置き場だ。何千人もいるだろう。そこに投げ込まれると、その後は行方不明ということにされる」
何千人ものロシア兵の遺体が、山のように積み上げられているといいます。果たして今後、どこまでウクライナ軍は、巻き返すことができるのでしょうか。
(「グッド!モーニング」2022年5月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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