

富士宮市の北山地区に移転した暴力団事務所をめぐり、静岡地裁は5月24日、事務所の使用を禁止する仮処分を執行しました。「平穏な暮らしを守りたい」という地域の声がきっかけでした。
<井端美彩子記者>「執行官と警察、およそ10人が暴力団事務所として使われている住宅に入ります」
<執行官>「仮処分決定に基づく執行を実施しますので門を開けてください」
静岡地裁が建物や土地を使わせない仮処分を執行したのは、富士宮市の北山地区の指定暴力団、六代目山口組の二次団体「良知二代目政竜会」の組事務所です。執行官は暴力団員の事務所への立ち入りを認めないなどの内容を記した看板を敷地内に設置しました。暴力団事務所を地域から追い出すことは、住民たちの悲願でした。
こちらは2020年1月、東京都内で撮られた写真です。トラックがバックで組事務所に突っ込んだのです。「良知二代目政竜会」は2019年、吉田町からこの場所に事務所を移しました。しかし、暴力団同士の争いから事件が起き、今度は富士宮にやってきたのです。
<富士宮市議会>「暴力団のいない明るく住みよい富士宮市を目指して頑張ろう」
富士宮市議会では、この移転に断固反対するとして「暴力団追放に関する決議案」を全会一致で可決。住民からも「不安」「出て行ってほしい」といった声が多く上がり、委託を受けた県暴力追放運動推進センターが2021年3月、事務所の使用差し止めの仮処分を申し立て、静岡地裁は事務所への暴力団員の立ち入りなどを認めない仮処分を決定し、24日、執行しました。
<須藤秀忠富士宮市長>「(良知組二代目政竜会が)仮処分の決定を受け入れて、速やかに組事務所の使用をやめて、撤退することを願っています。関係機関と協力して市民の安全安心のために暴力団追放に取り組んでいきたい」
良知二代目政竜会側は「今後の動きについて代理人を通じて伝える」ということですが、地域を挙げての暴力団排除の活動がいま、実を結ぼうとしています。
#オレンジ6 5月24日放送
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