政府が開催した緊急フォーラム。テーマは孤独対策です。コロナで外出自粛が長期化する今、特に若者たちの孤独が深刻化しています。国を動かした1人の現役大学生の取り組みを取材しました。
あなたは最近、“孤独”を感じていませんか?
「感じますね。世間的にも外に出にくい状況なので」(10代 学生)
「友達に会わないで一人でいることが多くなったので、そこでやっぱり孤独を感じます」(10代 学生)
長引く外出自粛で他人との接点が減り、孤独を感じている人たちがいます。25日夜、官邸で行われた緊急フォーラム。NPO団体やタレントの中川翔子さんらが参加しました。国が本格的に「孤独対策」に乗り出したのです。きっかけを作ったのは、ある現役の大学生です。
「常に相談が増え続けているというのが現状。今年に入ってから、1日200人を下回る日がない」(NPO「あなたのいばしょ」 大空幸星代表)
24時間、チャットで相談を受けているNPO団体。大学3年の大空幸星さんが去年3月に立ち上げました。コロナ禍で深刻化する孤独。10代、20代の若者を中心に、これまで3万6000人以上から相談が寄せられていると言います。
「深刻な相談は電話ではしづらい。チャット、SNSを使った相談が若者の実態にあっているという証拠が、この数字にあらわれている」(NPO「あなたのいばしょ」 大空幸星代表)
実際に寄せられた相談の中には・・・
「オンライン授業で1人で部屋にこもる日々が続き、苦しいです」(20代女性)
「コロナの影響で仕事を失いました。辛い毎日から抜け出したいです」(20代男性)
命の危機を感じるような深刻な相談も寄せられます。
「孤独でつらいな、もう死にたいな、」(20代女性)
これまで減少し続けていた自殺者の数は、去年、11年ぶりに増加に転じ、2万1077人に。特に増えているのが20代以下の若者です。危機感を強めた大空さんは去年12月、政府に要望書を提出。孤独対策を担う大臣の新設など、対策の推進を求めました。ここから、事態が大きく動き出します。
「社会的な孤独、孤立を防ぎ、人と人とのつながりを守る活動を推進していきたいと考えている」(坂本哲志一億総活躍相)
坂本一億総活躍担当大臣が孤独担当大臣を兼務することになり、先週末には、「孤独・孤立対策担当室」が新たに設置されました。
「(相談)現場も予算的にも人的にもギリギリの中でやっている。相談も増え続ける現状なので、早急に予防的な政策として、孤独・孤立対策を推進していくことが必要だと、しっかり政府に求めていきたい」(NPO「あなたのいばしょ」 大空幸星代表)
25日夕方、大空さんの姿は官邸にありました。緊急フォーラムで、大空さんは総理に直接、支援を求めました。
「特に若者、子どもたちとか若者が深刻な状況になるという危機感や事実はしっかりと伝えられたのかなと。今の若者の生活習慣、慣習、文化にあった手法をしっかりとアプローチして提案していくことが我々に求められていること。しっかりやっていきたい」(NPO「あなたのいばしょ」 大空幸星代表)
(news23 2月25日放送)
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