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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから3月24日で1か月となりました。この間、ロシア軍は1200発以上のミサイルを発射するなど攻勢を強めてきましたが、ウクライナ軍の激しい抵抗により部隊が後退する動きも見られ、戦況はこう着しています。
今回の軍事侵攻や欧米の制裁に対するロシア市民の反応は?、また政権基盤への影響は?ロシアの政治と外交に詳しい防衛省防衛研究所の長谷川雄之さんとロシアを長年取材してきた石川一洋解説委員が解説します。
石川解説委員は「基本的には今回の戦争はプーチン大統領時代の終わりの始まりだと思っています。ロシア国民にとってはプーチン大統領は“良き皇帝”と受けとめられてきました。90年代の混乱を収め国を安定させたということが国民の支持の土台にあります。しかし自らの支持の土台である安定を戦争という究極の形で壊してしまいました。今後、戦争の実像が国民に伝わるにつれてプーチン大統領は“良き皇帝”から“悪しき皇帝”に変わるかもしれません。またプーチン大統領の存在が体制にとって安定ではなく危険な要素であるという認識を持つエリートが増えてくるかもしれません」と解説します。
防衛研究所の長谷川さんは「プーチン大統領が正確な情報を得ることができているのか、それらが政策判断に生かされているのか、少し怪しいのではないかとみています」と指摘しています。
また全体の戦況については「ロシア軍としても大義なき戦争ということで全体として士気が上がっていないというように見えます。それが個々の軍事オペレーションの質の低下につながっていて、さらにロシア軍や準軍事組織、そしてクレムリンの戦略中枢の連携不足に陥っているのかなと見ています」と話しています。また今後、ロシアが生物・化学兵器など大量破壊兵器を使うおそれがあるという情報を懸念しつつ、ロシアによる情報戦の観点からも含めて慎重に分析する必要があると指摘しています。
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【出演者】防衛省防衛研究所 長谷川雄之さん
石川一洋解説委員
【放送情報】NHK 総合 毎週(月~日)午後 7:00~ ニュース7https://www.nhk.jp/p/news7/ts/YV1K1Z3YV8/
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