北朝鮮“新型ICBM”発射 北海道沖に落下 射程は米国全土か

北朝鮮が3月24日午後に発射した、新型のICBM=大陸間弾道ミサイルとみられる飛翔体。北海道沖約150キロの日本海に落下したとみられています。韓国では「怪物ICBM」と呼ばれるミサイルですが、その脅威とは?

北朝鮮が発射した弾道ミサイルが、日本のEEZ=排他的経済水域内に落下するとの一報が入り、緊張が走りました。

韓国メディアは、北朝鮮が発射したとされるミサイルは、韓国軍の見解で新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「火星17型」だったと報じています。
「火星17型」は2020年10月、朝鮮労働党の創立75年に合わせた軍事パレードで初めて公開されていて、2021年10月に平壌で行われた「国防発展展覧会」でも展示されていました。

防衛省によりますと、3月24日午後2時33分頃に北朝鮮から発射された弾道ミサイル1発は、午後3時44分頃に北海道の渡島半島の西、約150kmの日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したとみられています。

防衛省が公開したF15戦闘機が撮影した映像には、今回発射された弾道ミサイルに関連すると推定される航跡のようなものが映っています。

今回のミサイルの特徴は、大きくわけて2つあります。まず、「飛翔時間」です。

鬼木誠 防衛副大臣:
現時点(24日午後4時半)における分析では、発射された弾道ミサイルは約71分飛翔。

約71分も飛翔。これまで北朝鮮が発射したICBM=大陸間弾道ミサイルの最長飛翔時間は、2017年11月に発射された「火星15型」の約53分。今回の発射は、それを大幅に上回り、過去最長となります。

そして2つ目の特徴は「飛翔距離」です。

岸信夫 防衛大臣:
今回の弾道ミサイルが2017年11月のICBM級弾道ミサイル「火星15号」の発射時を大きく超える、約6000km以上の高度で飛翔したことを踏まえれば、今回発射されたものが、“新型ICBM級弾道ミサイル”であると考えられます。

飛翔距離は約1100km。最高高度は約6000kmと推定されています。
今回発射されたとみられる「火星17型」は、韓国で“怪物ICBM”とも言われています。日本の防衛大臣経験者は。

防衛大臣経験者:
これまでの火星型はニューヨークまで届くと言われてきたけど、今回の撃ち方次第ではもっと飛ぶんじゃないか。

韓国メディアは、これまでの「火星15型」の最大射程1万3000kmをはるかに超える1万5000kmに達し、複数の核弾頭が搭載できると分析。これは、アメリカ全土を目標にできる能力です。

北海道 鈴木直道知事:
ウクライナ情勢も相まって道民の皆様の不安が増しているなか、道民の皆様の安心安全に対して極めて深刻かつ重大な脅威であり、断じて容認することはできません。

北海道民:
びっくり。もしかすると私たちの身にも被ってくるんじゃないのかなという不安はありますよね。

北朝鮮の弾道ミサイルが、排他的経済水域内に落下したとみられるのは、2021年9月15日以来のことです。
岸田総理は、日本時間3月24日の夕方、訪問先のベルギーで取材に応じました。

岸田文雄 総理:
北朝鮮は2022年に入ってから新型ICBMを含め、高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しています。一連の北朝鮮の行動は、我が国、そして地域、及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認することはできません。

北朝鮮による飛翔体の発射は、今年に入って11回目となります。このうち、2月27日と3月5日に「偵察衛星」の開発目的と称して発射した弾道ミサイルについて、日本、韓国、アメリカは、新型ICBMの性能を試すための発射だったと分析しています。3月16日にも飛翔体を発射しましたが、韓国軍によりますと、直後に空中で爆発し、失敗したとみられています。
(24日23:10)

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