ドースト・ムハンマド・ハーン

ドースト・ムハンマド・ハーン, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=284255 / CC BY SA 3.0

#アフガニスタンの首長
#1793年生
#1863年没
ドースト・ムハンマド・ハーン(1793年12月23日 - 1863年6月9日)は、アフガニスタンの国王(在位:1826年 - 1839年, 1843年 - 1863年)。
サドーザイ朝に代わるバーラクザイ朝の創始者。
ドゥースト・ムハンマドとも表記される。
「ドースト・ムハンマド」は「ムハンマドの友」の意である。
ドゥッラーニー部族連合バーラクザイ部族 (Barakzai) 出身。
部族長パーヤンダ・ハーンの数多くいる息子の一人で、母親はペルシャ人であったという。
バーラクザイ部族は、当時のアフガニスタンの王(シャー)を出したサドーザイ部族の分族であり、サドーザイ朝で宰相(ワズィール)を出す部族であった。
サドーザイ朝(狭義のドゥッラーニー朝)は部族的支配の国家であり、王は同輩中の第一人者という位置づけであって、専制的な支配者ではなかった。
国土はペシャーワル、カシミール、カンダハール、カーブルの諸州に分割され、それぞれ王族が統治していた。
1793年に第2代国王ティムール・シャーが没すると、息子たち(ザマーン・シャー、マフムード・シャー、シュジャー・シャーら)によって抗争が繰り広げられた。
サドーザイ朝が内乱状態になる中で、バーラクザイ部族は勢力を拡張していった。
1818年、バーラクザイ部族の勢力拡張を嫌ったカームラーン王子 (Shahzada Kamran Durrani) (当時王位にあったマフムード・シャーの子)が、部族長でカーブルの州知事を務めていたムハンマド・アズィーム(別名ファトフ・ハーン。1778年 - 1818年。ドースト・ムハンマドの兄)を殺害すると、バーラクザイ部族は各地で反乱をおこした。
ドースト・ムハンマドも、カシミールから進撃してペシャーワルとカーブルを陥落させている。
サドーザイ朝はヘラートに勢力を残すものの、事実上崩壊した。
バーラクザイ部族は、1826年に国土を分割。
このとき、ドースト・ムハンマドはカーブルを掌握し、ハーンを称して国家を建てた(この時点でカーブルのほか、ガズニー、ジャラーラーバードも彼の支配下にあった)。
彼の兄コハンデル・ハーンがカンダハールを本拠とし、カームラーン王子と宰相ヤール・ムハンマド・ハーンのサドーザイ朝残存勢力がヘラートを本拠として、アフガニスタンに鼎立する状態がその後しばらく続いた。
1835年から、ドースト・ムハンマドはアミールを称した。
なお、サドーザイ朝の王は「シャー」というイラン的な称号を名乗っており、「アミール」というイスラム的な呼称は、シーク教徒やインドのイギリス人に対する宗教意識の現われと見なされている。
イギリスは、ロシアに対抗するためにアフガニスタン国内への軍の進駐を要求したが、ドースト・ムハンマドは、これに対してペシャーワルの回復という対価を要求した。
アフガニスタンの強化を望まないイギリスは、旧王家サドーザイの元国王シュジャー・シャーと手を結ぶことを選び、1838年、アフガニスタンに対し宣戦を布告した(第一次アフガン戦争)。
アフガニスタンに侵攻したイギリス軍は、1839年8月、カーブルを占領。
ドースト・ムハンマドはイギリスに捕らえられ、シュジャー・シャーがイギリスの後援の下でアフガニスタンの国王に就けられた。
しかし、イギリスはカーブルとジャラーラーバードといった点を支配しているに過ぎず、傀儡君主であるシュジャー・ハーンにも信望はなかった(王国の実権を握っていたのは、ドースト・ムハンマドの長男で、シュジャー・ハーンの宰相を務めていたアクバル・ハーンであった)。
各地で侵略軍に対する反乱が勃発した。
ドースト・ムハンマドはこの機に乗じて脱出するも、結局イギリスに降伏し、インドに追放されている。
1842年にイギリス軍が撤退、シュジャー・シャーが暗殺されると、イギリスは戦争の継続を断念し、ドースト・ムハンマドの帰国を認めた。
1843年、ドースト・ムハンマドは帰国、再びアフガニスタンの実権を握る。
1855年、イギリスとの間に友好条約(ペシャーワル条約)を締結した。
第一次アフガン戦争終結後はイギリスに協力する姿勢を見せた。
イラン(ガージャール朝)のナーセロッディーン・シャーによるヘラート進攻を契機とするアングロ・ペルシア戦争(1856年-1857年)や、インド大反乱(1857年 - 1859年)においてもイギリスを支援した。
また。
治世後半において、カンダハールやマザリシャリフを支配...

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