アメリカCNNが、アメリカとNATO(北大西洋条約機構)の当局者の話として、ロシアの同盟国・ベラルーシが近いうちに参戦する可能性があると報じました。
■懸念される“マリウポリ総攻撃”
空襲を知らせるサイレンを聞かせたのは、ウクライナのゼレンスキー大統領です。
ゼレンスキー大統領:「私たちは25日間、この音を聞きながら暮らしています。何千人もの人々が、この残忍な戦争で亡くなりました。それは、我が国に対するロシアの戦争のためです」
ロシア軍に包囲され、激しい攻撃にさらされているウクライナ南東部の都市・マリウポリ。ロシア陣営のチェチェン共和国の部隊が、この街に入ったといいます。
武器を捨てて投降するよう、呼び掛けた最後通告の期限21日を過ぎた今、懸念されるのは、マリウポリへの総攻撃です。
ウクライナ側が公開した映像では、無差別に工場地帯を爆撃している様子が分かります。
一方、ロシアの国営テレビは、ドネツク地方の親ロシア派の兵士が戦っている映像や、廃墟と化したマリウポリの空港の映像を公開しました。
マリウポリからの避難民:「街は、もう90%くらいは破壊されています。家も、何も残っていません」
■防空壕へ下りた途端・・・“爆発”
ウクライナ最大の港湾都市・オデッサ。この街へも、黒海に展開する軍艦からとみられる攻撃が始まりました。
標的になったのは、ここでも住宅です。
住民:「爆撃が始まると感じて、防空壕(ごう)へ下りた途端に、爆弾が爆発しました」
■“ヒトラーを生き延びた”男性が・・・
連日、激しい戦闘が続く第2の都市・ハリコフ。集合住宅への砲撃で、96歳の男性が亡くなりました。
ボリス・ロマンチェンコさんは、ナチス・ドイツによって強制収容所に入れられながらも、生還した人物でした。
ウクライナ・クレバ外相(ツイッターから):「ロマンチェンコさんは、ヒトラーを生き延び、プーチンに殺された」
ゼレンスキー大統領:「彼は、普通の住宅の高層ビルを襲ったロシアの砲弾に殺されました。戦争が続くと、彼らがよく言う“非ナチ化”の言葉の意味がよく分かってきた」
■「民間人を殺したロシア軍」
ロシア軍によって制圧された、南部ヘルソン近郊の街。すべてが破壊しつくされていました。
住民:「ドイツ軍の攻撃を思い出すが、ここまでひどくなかった」「ロシア軍は民間人を殺した」
■首都キエフ 商業施設が一瞬で・・・
首都キエフでは、ショッピングモールがミサイル攻撃を受け、8人が死亡。ロシア側は、この攻撃には、正当な理由があったと主張しました。
ロシア国防省報道官:「ロシア偵察隊からの複数の報告によると、(ショッピングモールに)ウクライナ軍の多連装ロケット砲が確認されたうえに、ロケットの弾薬庫を発見した」
この施設は、2年前に建てられたキエフ最大規模のショッピングモールで、一日8万5000人が訪れるほどの人気の商業施設でした。
しかし、ロシア軍の攻撃で、一瞬にして市民の憩いの場ががれきと化しました。
住民:「ショッピングモールや病院、住宅を爆撃する狙いは何なのか、理解できない」
■専門家分析・・・商業施設破壊狙いは?
映像を見た専門家は、次のように話します。
防衛省・元情報分析官 軍事アナリスト 西村金一さん:「1発の威力が、これだけ大きな威力を持つミサイル攻撃だったのは、(ロシアのウクライナ侵攻で)私は初めて見たと思います。総攻撃の準備のための威力の大きなミサイルを使って、“徹底的にキエフをたたきたい”という思いでやっている」
そこには、キエフ侵攻で市街戦が予想されるなか、高い建物から反撃されることを防ぎたいというロシア軍の思惑があるといいます。
西村金一さん:「戦車は、一番弱いのが上ですから。それを狙われて攻撃されると都合が悪いので、ショッピングセンターを壊す。要するに、高い建物を壊しに来ているということ」
■ベラルーシ 数千人規模参戦か
また、CNNはアメリカ政府高官などの話として、隣国ベラルーシが近く、ウクライナ侵攻に参加する可能性があると伝えました。
ベラルーシの反体制派情報筋は、軍の部隊が数日中に数千人規模で展開する準備を整えていると話しているということです。
(「グッド!モーニング」2022年3月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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