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日本時間の午後8時ごろ、一時中断となった4回目の停戦協議がオンライン形式で再開したとウクライナメディアが報じました。
即時停戦とロシア軍の撤退を求めるウクライナと、ウクライナの中立化・非武装化を求めるロシア。先月28日に開かれた、1回目の協議では折り合いがつかず“交渉継続”が成果とされました。
2回目、3回目は主に退避ルート、いわゆる“人道回廊”の設置について議論されました。設置については合意となりましたが、根本的な課題については、両国とも「大きな進展はない」「具体的な成果はない」としていました。
しかし、4回目の協議を前に、両国からは、これまでに見られなかった協議の進展や、互いの主張への理解ともとれる発言がありました。また、技術的な中断とされ、初めて翌日に協議が延期されました。
こうしたなか、キエフ州のクレバ知事はSNSで、日本時間16日午前3時から、キエフ州全域に35時間の外出禁止令を出すと発表しました。キエフ市のクリチコ市長は「現在危険な状態が続いている」としています。外出禁止令が発令されている間は、移動には許可証が必要で、防空壕に避難する時のみ外出が許可されます。
◆ロシア情勢に詳しい、防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに話を聞きます。
(Q.4回目の停戦協議が行われるなか、キエフ全域で外出禁止令が出されるというのは、総攻撃に備える意味があるのでしょうか)
兵頭慎治さん:「ここ数日、キエフ近郊にいるロシア軍が動きを止めていました。兵站を確保したり、戦況の立て直しをやっていたとみられます。キエフ側は侵攻の予兆を感じ取っているのかもしれません」
(Q.ロシア側に変化はみえますか)
兵頭慎治さん:「ロシア側もウクライナ側も、交渉が進展しているような見方を示しています。ただ、基本的な構図としては、両者の主張には大きな隔たりがあり、ロシアはウクライナの中立化・非軍事化に関して妥協する余地を見せていません。
前向きな姿勢を示すことによって、相手がどこまで折り合ってくれるのか、お互いの腹の探り合いをやっている印象があります。これで本当に停戦までたどり着くのは難しいと思います。ただ、キエフへの攻撃が始まるのではないかという見方もあるので、せめて、緊急避難ルートの安全確保の点だけでも折り合ってほしいと思います」
(Q.ウクライナ大統領府顧問のオレクシー・アレストビッチ氏は「ロシアの余力がどれだけ残っているかで、終結のタイミングは決まってくる。5月初旬には和平合意があるだろう。それより、かなり早くなるかもしれないと」と発言しました。この発言に信憑性があると感じますか)
兵頭慎治さん:「タイミングが5月初旬と、あと2カ月弱です。ロシア側は、シリアなどの戦闘員も雇用するとしていて、戦費が拡大しています。ロシアが戦争できなくなるかどうかの限界を考えると、5月初旬はある程度の信憑性があります。ただ、裏を返せば“それまでは持ちこたえられる”とも受け取れます。長期化しても1カ月以上は、プーチン大統領が侵攻を続ける可能性もあるということだと思います」
(Q.ロシアは戦争の長期化にどれくらい耐えうると考えていますか)
兵頭慎治さん:「ヨーロッパの研究機関の見立てによりますと、戦費は一日に2兆円ほどかかっているのではないかと言われていて、想定外の出費をしていることは間違いないと思います。
戦争が長期化すればするほど、コストや戦死者が増えていきます。また、ロシア国内の経済ダメージも膨らんでいきます。コストに見合わない戦争をいつまでやり続けることができるのか。どこかのタイミングで、行き届かなくなる可能性があると思います。
ただ、短期的には、プーチン大統領も引き下がることはできないところもあります。戦費の拡大があっても、今週、来週の軍事行動を終わらせることにはならないと思います」
ロシア国内では“各国の経済制裁の効果”ともみられる動きも出ています。ロシア政府が発行しているドル建て国債は、16日に利払い期限を迎えます。本来は、ドルで返済が原則ですが、経済制裁を受けるロシアは、ドルを事実上使うことができません。そのため、ロシア財務省は、外貨で支払えない場合はロシア通貨のルーブルで支払う意向を示しました。
(Q.世界的な経済制裁でルーブルが大幅な下落するなか、仮に投資家らが「ルーブル支払いは、いやだ」と拒否をした場合、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性もあります。このダメージをどうみますか)
兵頭慎治さん:「16日にデフォルトになる可能性は高いとおもいます。実はこれは、ロシアにとって大打撃です。ロシア国債は今後一切、信頼性がなくなることを意味するので、国家財政に大きな影響を与えると思います。
これとは別に、ロシア中央銀行の国内資産凍結などもあるので、ロシアの外貨準備の半分が引き出せない状況になっていて、戦費が拡大するなか、ロシアの国家財政は急激に悪化する可能性が高いです。どこかの段階で戦費が足りなくなって、戦争を続けることが難しくなると思います」
(Q.ウクライナは耐え切ることができるでしょうか)
兵頭慎治さん:「ロシア側は、中国の支援やベラルーシの参戦を期待するなど、切羽詰まったところがありますが、ウクライナ側は資金や兵器、軍事情報など国際社会からのバックアップがあります。ウクライナはロシアに比べると、長期的に戦いを続けられる余力があると思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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