「全面降伏を促そうと」停戦協議の結果次第で侵攻どう変わる?専門家解説(2022年3月3日)

ウクライナとロシアの2回目の停戦交渉が行われます。当初、開催は2日になると両国の政府高官が公式に発表していましたが、結局、一日遅れて始まることになりました。交渉の行方によって、戦局はどう変わるのでしょうか。防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.開催が一日ずれ込みました。これは何を意味するのでしょうか)
1回目の協議はお互いの主張をぶつけ合って、それを持ち帰って検討したうえで、2回目の協議で折り合いがつけられるかどうか。非常に重要な局面に入ると思います。一日ずれたということは、恐らく、ウクライナ側が開催場所をめぐってロシアとやり取りをしていたとみられていて。前回は、ベラルーシとウクライナの国境付近でしたが、今回は、ベラルーシとポーランド国境のベラルーシ側でやるということで、ロシア側の代表団が待ち構えています。ベラルーシというのは、ウクライナ侵攻の拠点のようなところですから、ウクライナ側は最後まで抵抗していたのではないかと思います。

(Q.安全保障会議の開催が決定されたということですが、これはどういうことを意味するのでしょうか)
安全保障会議というのは、プーチン大統領自らが議長です。安全保障に関わる重要閣僚が参加して、安全保障上、重要な決定をする会合です。停戦協議の前に安全保障会議を開くというのは、非常に気になるところです。協議の決裂、そして、本格的な軍事侵攻を想定しているのかもしれません。

ロシア軍の侵攻開始から1週間。開始当初は、空港など軍事施設の破壊が中心でしたが、ここ数日は、首都キエフを含めた主要都市を攻撃し、テレビ塔や石油貯蔵施設を破壊。通信網を抑えたり、国内最大の原発を支配下に置き、3日は石油貯蔵庫を空爆するなど、ウクライナ当局の発表では、これまでに2000人以上の民間人が犠牲になっているということです。

(Q.一連の流れをどう分析しますか)
ウクライナ側が入手したロシア側の作戦計画では、軍事侵攻開始から完了まで2週間だったと伝えられています。まだ1週間しか経っていませんが、キエフを完全に抑えることができない状況です。現在、戦況を立て直すために、準備を進めていると思いますが、やや、ロシア側の誤算による焦りが見えます。当初、軍事施設のみ攻撃すると言っていましたが、社会経済の重要インフラへの攻撃と対象が拡大しているという嫌な兆候がみられます。

(Q.時間がかかっていてもロシア軍有利というのは変わらないのでしょうか)
時間はかかっているかもしれませんが、最終的にはキエフを軍事的に掌握して、ゼレンスキー政権の打倒。それに迫っていこうという強い意図はあると思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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