15日、日本は75回目の「終戦の日」を迎えた。
核兵器による攻撃を唯一受けた日本だが、世界では、あえて威力を弱めた核兵器が登場するなど、新たな動きが出ていて、国際機関が警鐘を鳴らしている。
水面すれすれを、時速400kmで移動する乗り物。
これは、アメリカと旧ソ連が対立していた冷戦時に、旧ソ連が生み出した“遺産”の1つ。
当時のアメリカが恐れた、この兵器の博物館への保存が、7月に決まった。
しかし一方で、ある能力を持って、よみがえった冷戦期の産物も。
1970年代に導入された「2S7M マルカ自走砲」。
ロシアは2019年、ドローンとのデータを連携させる試験を行うなどアップデートをしているが、この自走砲で気になるキーワードは「核」。
ロシア国営メディアは、自走砲について、「核爆弾を装備した弾薬がある」と指摘。
発射できるとみられる核砲弾は、広島に投下された原爆の15分の1の威力を持つ、旧ソ連の「3BV2核砲弾」。
フジテレビ・能勢伸之解説委員「今もロシアが保有しているのかは不明だが、マルカ自走砲の射程は40km、味方に被害を与えないということで、3BM2の威力が決まったのかもしれない。ドローンを使って、冷戦時代には考えられないほど、正確に撃てるのかもしれない」
そんな中、アメリカも、広島に投下された原爆と比べ、およそ3分の1以下の威力の核弾頭を、戦略ミサイル原子力潜水艦に搭載し始めている。
なぜ今、“威力の小さい核”が登場しているのか。
この状況に警鐘を鳴らす国連の軍縮担当の中満事務次長は、「数ではなく質の観点で、すでに軍拡競争が始まっているのではないか」と発言している。
能勢解説委員「国連が『核兵器が利用されるリスクが冷戦以降、かつてないほど高まっている』と言った。従来の核兵器に加えて、限定されたエリアを攻撃できる威力の小さい核兵器の登場で、核使用の敷居が下がることを懸念している」
世界は、すでに核兵器の多様化という問題にも直面しているのかもしれない。
(2020/08/17)
#ロシア #アメリカ
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