ウクライナ・ソビエト社会主義共和国

ウクライナ・ソビエト社会主義共和国, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=594237 / CC BY SA 3.0

#ウクライナ・ソビエト社会主義共和国
ウクライナ・ソビエト社会主義共和国

ウクライナ・ソビエト社会主義共和国(ウクライナ・ソビエトしゃかいしゅぎきょうわこく)は、かつてウクライナに存在した社会主義国家である。1917年12月25日に成立したウクライナ人民共和国がその祖となっており、その後、いくつかのソビエト共和国を併合し、以後1991年8月24日まで存続した。

ウクライナ語で 、ロシア語で。

名称の は「ソビエトの」と訳されるが、「ラーダの」と同義語である。通常、歴史・政治分野などに関する日本語文献では、ウクライナ中央ラーダやヴェルホーヴナ・ラーダのようなウクライナ独立派の組織は「ラーダ」、ソビエト側のものは原語は同じでも「ソビエト」と訳し分けることになっている。「ウクライナ・ラーダ社会主義共和国」とは、通常訳さない。

なお、1919年から1937年までの間はウクライナ社会主義ソビエト共和国 , と称していた。

1917年3月にロシアのペトログラートで二月革命が起こると、ウクライナでは帝政時代より広範囲の自治と自由を求めて各派が集まり、中央政治機関となるウクライナ中央ラーダが構成された。中央ラーダは新たな「ロシア連邦」のもとでのウクライナとロシアの協力を求め、ペトログラートの臨時政府と交渉に当たった。その結果、夏には中央ラーダの要求は臨時政府によって認められ、ウクライナは「ロシア連邦」のもとでの自治権を獲得した。しかし、その後ボリシェヴィキが臨時政府を武力で倒してロシアの権力を掌握する十月革命が発生すると、中央ラーダはこれを認めずウクライナ人民共和国の成立を宣言した。これ以降、ウクライナの併合を図るソビエト政府と自治を守ろうとする中央ラーダとの間に激しい戦争が開始されることとなった。

ボリシェヴィキは、中央ラーダを傀儡化するため議会をボリシェヴィキ派で乗っ取ることを企図し党員を送り込んだが、当時ウクライナでは急進的で暴力的な都市政党であるボリシェヴィキは人気がなく、その議席は1割に満たなかった。ボリシェヴィキの支持層は都市の労働者が中心であり、またボリシェヴィキはロシアからの外来者という形でウクライナに現れたということも、多くが農民であったウクライナ人の支持を失う要因となった。当時、ウクライナの都市と農村の隔たりはほとんど外国であるといってよいほど大きなものであった。また、ボリシェヴィキが農民を「農民問題」として敵視・蔑視していたことや、ロシア人が伝統的にウクライナ人を軽んじてきたこともウクライナ人をしてロシアからの外来者ボリシェヴィキを嫌わせる原因となった。

中央ラーダの乗っ取りに失敗したボリシェヴィキは、これに対抗して新たにウクライナ人民共和国を創設した。この国家は、ウクライナにおけるボリシェヴィキ派の受け皿となる組織として建設された。その目的は、民族主義的・民主主義的(ボリシェヴィキの指摘によれば「ブルジョワ的」)な国家であるウクライナ人民共和国を打倒し、ウクライナをボリシェヴィキの勢力下に置くことであった。共和国の首都は東ウクライナの都市ハルキウに置かれ、国民の多くは同地方都市部に居住するロシア人やユダヤ人であった。その後、ボリシェヴィキ勢力は徐々に農村部にも浸透していき、また煽動工作による中央ラーダ派の切り崩しも順調に進んでいった

建国当初は、ウクライナ人民共和国は必ずしもロシアの傀儡国家というわけではなく独自の行動をとっていたが、徐々にロシアの強い影響下に置かれるようになっていった。

ウクライナ人民共和国の建国と同時に、ボリシェヴィキ政府はウラジーミル・レーニンとレフ・トロツキーの連名でウクライナ人民共和国政府に対し最後通牒を突きつけた。中央ラーダは赤軍のウクライナ領内の通行の自由などのボリシェヴィキ側の要求を拒否した。ロシアの赤軍は、中央ラーダ軍との全面的な戦闘に突入した。

ボリシェヴィキと中央ラーダの決定的な対立により、本来はドン戦線へ派遣される予定であったヴラジーミル・アントーノフ=オフセーエンコ将軍の革命遠征軍が急遽ウクライナ方面へ振り向けられることとなった。1917年12月上旬、革命遠征軍はアントーノフ=オフセーエンコの指揮のもとウクライナへ侵入した。年の明けた1918年1月初めには、ミハイール・ムラヴィヨーフの総指揮のもと赤軍はウクライナ人民共和国の首都キエフに向かって進攻を開始した。一方、中央ラーダは1月9日に「第4次ウニヴェルサール」を発令し、ウクライナ人民共和国がロシアから分離し、完全な独立国となる...

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