8月はアジア情勢が大きく動いた。
アフガニスタンは、アメリカ軍の完全撤退を前にパワーバランスが崩れ、タリバンが制圧。
一方、台湾をめぐる力のバランスも変化しかねない状況となっている。
最新の映像で検証する。
離陸する輸送機を追いかける人たち。
巨大な機体にしがみつく人もいる。
武装勢力「タリバン」が制圧したアフガニスタンの首都・カブールを命がけで脱出しようとする市民の姿。
アメリカ軍が公開した写真には、機内に700~800人が乗っていた。
この輸送機は、アメリカ空軍の「C-17AグローブマスターIII」。
貨物室には、戦車などを77トンまで乗せることができる。
アメリカ空軍はこれを200機以上運用しているが、そのうちの1機が2021年6月、台湾の飛行場に初めて降り立った。
運んできたのは、アメリカ上院議員3人だった。
フジテレビ・能勢伸之解説委員「C-17Aは、この3時間後に台湾から離陸したが、物理的にはアメリカ陸軍の戦車を台湾にピストン輸送できるようにも見えたでしょう。中国にとって、無視できることだったとは思えません」
また、アメリカは2019年、台湾に「M1A2T戦車」、2021年8月には「M109A6パラディン自走砲」を売却することを決定した。
フジテレビ・能勢解説委員「これらの共通点は、どちらも“SINCGARS通信装置”が付いていることです。これは、アメリカ空軍の地上戦指揮機『E-8Cジョイントスターズ』が地上部隊や攻撃機を指揮するために装備。つまり、台湾陸軍とアメリカ空軍が、物理的に運用が一体化するという特別な関係に見えるかもしれません」
一方、中国は最近、台湾有事を意識したような映像を相次いで公開している。
この映像は、空母など、さまざまな軍艦が参加した海上演習の様子。
中国海軍が、上陸作戦用の「071型強襲揚陸艦」に給油艦で補給しているのが確認できるが、あたかも中国沿岸以外でも上陸作戦を行えると示唆しているかのよう。
また、こちらは7月に公開された上陸演習の模様で、群れて飛ぶドローンなどを使って立体的に状況を把握。
水陸両用戦車が上陸地点に砲撃し、一気呵成(かせい)に上陸していた。
さらに、中国は21日夜、新型の短距離弾道ミサイルの発射実験に成功したとする映像を公開した。
これは「DF-15」の改良型とみられ、弾頭部に新しい誘導システムと強力な妨害防止機能を備えているとされている。
アメリカと中国、双方が実際に使える能力を誇示する動きが活発化する中、アメリカのバイデン大統領は、「NATO(北大西洋条約機構)の同盟国が侵攻されたら、われわれは対応する。これは日本や台湾でも同じだ」と、アメリカが台湾を防衛すると受け取られかねない発言をするなど、言葉の応酬もヒートアップしている。
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