南太平洋の #トンガ諸島 で起きた大規模な火山噴火の影響で、列島各地で #津波 が発生しています。
地震と火山を研究している鹿児島大学の井村隆介准教授の解説です。
(トンガ沖の火山が #噴火 したときの衛星からの映像と画像から何が感じられる?)
この噴煙の広がっている広さが、関東地方一円に広がるくらいの大きさの噴火なんです。
この規模の噴火というのは、世界でも100年に1回あるかないかというような、非常に大きな噴火です。
この火山灰の雲の下で何が起こっているのかというのが、トンガからの情報がなかなかないということで、まったくわからない状況なんですよね。
輪っかが広がっていますが、これは大きな空振ですね。これが日本にも気圧の変化として伝わったということになるかと思います。
(空振というのは、噴煙とともに空気が揺れ動くような、そのような広さが関東一円ほどで、ものすごく巨大だということ?)
そうですね。百数十年前のインドネシアのクラカタウの噴火でも、そういうものが世界中を通ったってことが観測されています。
(井村准教授にとっても経験のないこと?)
そうですね。この規模の噴火っていうのは、本当に100年に1回あるかないかっていうことなので、始めてです。
(海外での海底火山の噴火による影響で、潮位の上昇が日本沿岸に及ぶというケースは過去にあった?)
インドネシアのクラカタウの時には、若干あったんじゃないかなと思います。だけど、1883年のことなので、ちょっとわからない部分もあります。
今回のものは、気圧の変化だっていう話になってるんですけれども、トンガを襲っている津波の映像を見ると、普通の津波の映像なんですよね。
何波もやってきて、だから地震で起こる津波のメカニズムとは違ってやって来ただけであって、昔から日本では、その潮位が急激に変化することは津波という、原因関係なしに言ってたわけですから、これはやっぱり津波として考えないといけなくて。
私たちが津波の発生原因として、地震以外に、火山の噴火でこういうメカニズムがあるんだということをこれから先、もっと解析して研究していかなければいけないことだと思うんですけれども、どういうメカニズムで発生したのかっていうのを、今後はちゃんと知る必要があると思います。
(津波は、地殻変動などの運動エネルギーが波に乗って、その波自体がすごいエネルギーを持っている。気圧の変動によって潮位が上がるのはもう1つ、高潮があるが、高潮に近いようなもので、たまたま津波の警戒システムがあるのでそれを使ったというだけで、これは、実態は高潮という理解でもよい? それはまた違う?)
僕は違うと思い違います。
高潮というか、今回の空振で見られていた気圧の変化というのは、数hPaくらいですので、そうなってくると、海面の変化っていうのも数センチなんですよ。
それからすると、やはり数十センチという形で日本全国に来てますし、あと高潮の場合は、そういう気圧の変化プラス、その風による吹き寄せの効果ですね、それが非常に大きいので、それからすると、今回のものはトンガのあたりを襲っている津波の映像を見ても、やはり地殻の変動というか、海面を動かす何かがあったんだと思います。
ただ、火山の場合ですね、山体崩壊が起こったり、あるいは海底で大きな爆発が起こったり、あるいはカルデラ、大きな噴火が起こって陥没が起こったりして地形が変わることによって海面が動くというようなことがあるんですけれども、そのどれかも、今の状況ではわからないですよね、
津波の発生としては、断層だと大きな面積を持っていますけれども、火山の噴火だと、ほとんど点から始まるので、普通のシミュレーションでは多分、きかないですよ。
そういう意味で、うまくいかなかった部分があるのかなと思っています。
(では、波自体にやはり運動エネルギーがあるということで、非常に気をつけなければいけないということは津波と一緒?)
そうですね、同じように注意をしていただければいいかなと思います。
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