大阪ビル火災 一酸化炭素中毒で被害拡大か 解説(2021年12月17日)

大阪市北区のビルで火災が発生し、24人が亡くなりました。現場にいた不審な男が病院に運ばれていて、警察は放火と殺人の疑いで調べています。

元東京消防庁の麻布消防署長で、市民防災研究所の理事・坂口隆夫さんに話を聞きます。

火災が発生したのは8階建てビルの4階部分で、床面積79平方メートルのうち、約25平方メートルが燃えました。火は約30分後にほぼ消し止められました。

当時、火災が発生した4階には30人近くがいて、ビル全体で28人が病院に搬送され、24人が死亡、4人が治療中とみられています。

警察によりますと、50~60歳くらいの不審な男が紙袋を置いて蹴り倒し、漏れ出た液体から燃え広がったとみられています。

(Q.火元はどの辺だと思いますか)

焼けた後の映像を見ると、出入口付近の焼け方が非常に強く、出火元と考えていいと思います。

(Q.漏れ出た液体は何だと思いますか)

石油系のガソリンに近い液体がまかれたのではないかと思います。まかれるとすぐに気化し、可燃性の蒸気が発生しますので、静電気や暖房器具のヒーターなどがあると着火して、一瞬にして燃え上がります。

(Q.燃えた面積は比較的少なく、奥側は燃えていなかったとみられますが、なぜこれだけの被害になったのでしょうか)

まず、出火場所が、避難経路である階段室の近くであったことがあります。階段は1カ所しかなく、その階段を使わなければ逃げることができません。火を見て、離れて奥の方に避難したと思いますが、一酸化炭素などの有毒ガスが含まれた煙は奥までやってきます。利用者はエレベーターを使って4階に来ていて、階段の位置が分からない人もいたと思います。

(Q.黒い煙を吸うとどうなりますか)

一呼吸、二呼吸、吸ってしまうと倒れて、意識をなくしてしまいます。待合室の奥には間仕切りがあって、延焼は防げたとみられます。ただ、間仕切りが天井に達していなかった場合、煙は一気に充満してしまうでしょう。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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