“働く貧困層”に届かない「10万円給付」効果は?(2021年11月14日)

政府が経済対策に盛り込む方針の給付金はコロナで苦しむ人をどこまで救うことができるのでしょうか。

▽食料配布に長い列・・・コロナ禍の困窮者
(鴇田記者)
「午前10時、立川市の公園ですが、多くの人が集まっています。ベビーカーをひいている母親の姿もみられます。」
食料や生活必需品を求めて集まったのは、コロナ禍で生活が苦しくなった人たちです。
(大学生 10代)「自分は全然アルバイト入れなくて、こういう食料とかいただけるだけで食費が浮くので本当にありがたい 」
(アルバイト 20代)「コロナが始まってからバイトしてた店がなくなりました。2~3日くらいはこれでどうにかなりそうですね」
(主婦 40代)「主人が飲食業で(収入が)減ったって感じですね。生活必需品というか、物をいただけるのですごく助かってます。」
今年2月から始め、きょうで10回目になりました。
(ANN’S espoir 根岸愛希代表)「前回154人だったのに対して、きょうが197人なので、確実に増えています。半分ぐらいが市外だったり、埼玉からもゴールデンウィーク過ぎてから徐々に若い層の方が増え始めて、子育て世代の方たちも今多くいらっしゃっている現状です。」
新型コロナの影響を受けた人たちへの支援策として、政府は、18歳以下の子供や、困窮する学生、住民税非課税世帯に、それぞれ10万円を給付する方針です。

▽「働く貧困層」に支援届かず
生活が苦しくても、“10万円給付”の対象にならない人もいます。
(非正規労働者 60代)「乾パンと、これが意外とおいしいんですよ。ありがたいです。果物とかは特に買えませんので。」
新宿で無料配布の食料を受け取った、60代男性。“非正規”で働いていて、コロナ禍で収入が減少したと言います。
「やっぱり残業とかは減っちゃったので(年収)240万円前後になっちゃうので、独り者です。独身です。自分が食べていくので精一杯なので。」
男性には、18歳以下の子どもはおらず、もちろん学生でもありません。さらに、生活困窮者向けの“10万円給付”の対象でもありません。
「ひっかからないですね、全部。なるべく考えないように。考えると腹が立つので。」
今回、生活困窮者への“10万円給付”は、“住民税非課税世帯”に限定。東京23区の単身世帯では、年収およそ100万円を超えると対象から外れます。
コロナ前から、困窮者支援を続けている、大西さんは―。
(認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい 大西連理事長)
「“低所得”というのには、(給付対象を)絞りすぎているし、フルタイムで働いていて、年収200万円台の方って日本社会にたくさんいて、そういった層の人たちがこのコロナで一番ダメージを受けているんじゃないかと。」
感染者数が落ち着いてきても、食料を求めて訪れる人は、一向に減らないと言います。
「例年に比べたら6倍とか7倍とか、そういう人数になってますね。生活が楽じゃないって方が対象から漏れてしまうとか。“ワーキングプア”層の人に届かないっていうのは本当にそれでいいんだろうかと。」

▽迫る返済・・・顧客戻らぬバス会社
中小企業の経営も深刻さを増しています。
(城南信用金庫 羽田支店 鹿取明宏支店長)「相変わらず羽田空港のお仕事は厳しい状況ですかね」
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「国内線は結構国内で動いている。国際線はほぼ動いていない状況」
羽田空港近くにあるバス会社。売上げの8割近くが空港関連の仕事です。
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「CAさんの空港内の移動の用途にも使っていたんですけど、全く動いていない」
キャビンアテンダントや海外からのビジネス客の送迎は、コロナ禍でゼロに・・・
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「(海外の)入国者がないと、ビジネスの人たちが来ないとうちは厳しい」
そこで信用金庫の支店長は、バス会社を支援するため、顧客同士を結びつける提案をしました。
(城南信用金庫 羽田支店 鹿取明宏支店長)「お客様で物流会社がありまして、羽田空港まで自分たちの社員ドライバーさんを輸送しているんですね。それをアウトソーシングを今考えている」
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「うちとしては得意としているところ。」
政府は、中小企業へ最大250万円の新たな給付金を支給する方針で、この会社の場合、100万円が支給される見込みです。
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「そういうのは うちにとって助かりますよね。(給付金を)やらないとバス会社がなくなっちゃうんじゃないですかね。」
Q.稼働状況でいうと?
「月に2~3日ですかね、今は動いてもですね」
小型車やマイクロバスなど11台を所有していますが、9月と10月は、キャンセル続きで、今月の予約状況も、ほとんどが空白です。
このバス会社では、実質無利子・無担保の融資制度をこれまで2回利用。その返済が年明けにも始まります。
(さちよ観光バス 横山慶吾会長)「借りてもね、返さなきゃいけないもんだから、あんまり借り過ぎると返せなくなっちゃうので・・・100万200万なんて事業やっているとあっという間に出て行っちゃうから。ビジネス往来も始まってくるので受け入れられるように準備したい」

11月14日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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