静岡県内でも“コロナ虫歯”が増加

新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療機関での診療を控えるケースが相次いでいます。特に、定期的なケアが必要な歯のトラブルを訴える人が、今、県内でも増えていて、深刻な健康被害につながる恐れも懸念されています。

 静岡市清水区の歯医者で10月5日、歯の治療をしていたこちらの女性。歯医者に来たのは約1年ぶりだといいます。
<患者の女性>「本当は(受診したかったのが)4月だったんですよ。でも周りの雰囲気が『家を出ない』という感じだったので、何となく足が遠のいてしまって」
 女性を歯医者から遠ざけていたのは、新型コロナによる自粛ムードでした。受診を5カ月も先延ばししたその結果…。
<患者の女性>「行かなきゃって思いながら、ずっと今まで伸ばし伸ばしで歯が痛くなっちゃった」
 この女性のように、新型コロナ以降、歯の痛みを訴える人が増えているというのです。
<望月歯科医院 望月一道院長>「放っておいたので悪くなって駆け込む方が多いです。いつもだったら早めに来るでしょうという方が、どうしようもなくなっていらっしゃる。コロナによる自粛から、お口のケアを放置してしまっていた。気にはなっていたけど(診療に)行きづらかったという方が、もっと腫れたレベルに発展して痛みも耐えられない、という風になってからいらっしゃるというのは実際あります」
 全国保険医団体連合会が、全国の歯医者を対象に行った調査によると、受診控えで虫歯が悪化し、コロナ虫歯といえるケースが増加しているといいます。では、虫歯を治療せずに放っておくとどうなってしまうのでしょうか?
 これは、5歳の男の子が約1年間受診せず虫歯を放置したあとの写真です。上の歯が真っ黒になってしまっています。
 これも、6歳の女の子が約1年間虫歯を放置したあとの写真。まるで、歯が溶けたような状態になっています。
 「どうせ生え変わるから」と考えてしまう人も多い子どもの虫歯ですが、乳歯の虫歯が進行しすぎると永久歯の発育にも悪影響を及ぼします。こちらの女性も、1歳3カ月の息子の歯が心配で来院したといいます。
<患者>「コロナがちょっと落ち着いてきて(コロナの)様子を見てからになりました。コロナの時期にちょうど(子どもが)歯ブラシを嫌がった時期があって、歯みがきができなかった時期があった。親として歯が大事だと思っているので、虫歯が心配できょう診ていただきました」
 その一方で、歯医者に対しては「感染リスクが心配」というイメージが根強く残ります。
<患者>「感染したらどうしようって。だからギリギリまで来ないようにしていたんですね。やっぱり怖いんですよね。口を開けて診てもらう所だから気になりますよね」
 静岡市清水区のこちらの歯医者では、少しでも安心してもらえるよう新型コロナの発生以降、患者の予約数を減らしました。待合室や診療所が密にならないようにするためです。また、診療の時はスタッフ全員がマスク、フェイスシールドを着用します。
<望月院長>「この距離で治療します。マスクをしていますし、フェイスシールドもしていますので我々も(万が一の時)感染を防ぐことができる」
 まだ当分の間続くであろうWithコロナの時代。受診を控えることは虫歯が悪化するリスクを増幅しかねません。
<望月院長>「医療は壊れた体を治すのでなく、いい状態を維持するために受信する時代。今まで通りに受信して、もちろんコロナには注意するのが大切だと思います」

#オレンジ 10月7日放送

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