政府は16日、緊急経済対策の最大の柱である国民への現金給付をめぐり、「収入が大きく減った世帯に限定して30万円を給付する」のではなく、「国民1人あたり一律で10万円を給付すること」を決めました。政府が緊急経済対策の裏付けとなる補正予算案を閣議決定したのは7日。それから10日も立たずに予算案を組み替えることになります。
 自民党・森山国対委員長:「極めて異例なことだと思います。確かに遅れることは申し訳ないことですけども、必要な方のところにタイムリーにお届けするとすればやむを得ない措置だろうと」

 政府は、現金10万円の一律給付には所得制限を設けない考えです。国民一人あたり10万円を支給するには、単純計算で12兆円以上かかります。現在の補正予算案では、1世帯30万円の給付に約4兆円を計上していますが、これをやめて組み替えたとしても財源が8兆円ほど足りません。補正予算案の組み替えはこれから急ピッチで行われることになります。

 これまで現金給付一律10万円を主張していた野党からは批判が噴出しています。
 立憲民主党・安住国対委員長:「自分たちで作ったものを自分たちで壊して、また1週間以上かけて予算を遅らせて、給付の仕方も見直すって、そんなリーダーは世界どこにもいないですよ」
 国民民主党・玉木代表:「いったん閣議決定したものが、いよいよ来週から予算審議という時に、与党側から組み替えが出て、それが組み替えられるというのは前代未聞、空前絶後ですね」
 共産党・小池書記局長:「これだけの事態を生み出したんですから、内閣総辞職に値する」

 現金給付一律10万円が突然決まった背景には、30万円の給付措置があまりにも評判が悪かったことがあります。もともと、官邸内では「現金給付は生活支援だ」と言っていましたが、「バラマキになってはいけない」という考え方が根強くありました。その結果、対象を絞って30万円になったという経緯があります。しかし、発表直後から「手続きが煩雑」「受け取れない人が多いのではないか」といった制度設計自体への不満の声が寄せられていて、自民党内からは「評判がすごく悪い。30万円、マスク、星野源さんとのコラボ動画は悪評3点セット。地元から何とかしてくれという声がすごく上がっていた」という声も上がっていました。与党側に押し切られて決着がついた形ですが、一度出した決定を覆したことは今後、政権として安定的な判断ができるのか問われることになります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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