「延期検討」背景に“ボイコット論” 聖火リレー中断か 再点火か

3月26日のスタートを控え、聖火リレーはどうなってしまうのか。

東京オリンピックの延期に、安倍首相が初めて言及した。

川澄奈穂美選手「今回の聖火リレー走者を辞退いたします」

女子サッカー・川澄奈穂美選手が下した決断。

なでしこジャパンの1人として、聖火リレーの第1走者を務める予定だったが、現在、拠点としているアメリカからの移動に感染のリスクがともなうなどとして、辞退する考えを明らかにした。

波乱含みのオリンピック開催。

23日未明には、IOC(国際オリンピック委員会)が臨時の理事会を開き、ついに新たな方針を示した。

それは、五輪延期の可能性。

IOC「延期も含めて、日本政府や大会組織委員会とくわしい協議を始める。今後、4週間のうちに結論を出したい」

IOCは、日本での通常開催は可能としながらも、感染者の数が世界中で増えていることから、初めて大会の延期について踏み込み、その結論を1カ月以内に出すとした。

カナダ五輪委員会 広報 フォティ・ソチロプロス氏「このまま7月に行われるなら、カナダとしては選手を派遣できない。8月でも9月でもだめ。1年後に派遣したい」

カナダのオリンピック委員会は、通常開催される場合、選手団を日本に派遣しないことを公表。

IOCなどに対し、大会の1年延期を要請した。

また、オーストラリアのオリンピック委員会は、1年後の2021年開催を念頭に準備するよう選手らに指示した。

オーストラリア五輪委員会 最高責任者「われわれは、1年後の東京オリンピック開催に向け準備する決断をした」

大会の延期を求める声は、アメリカの水泳連盟やブラジルのオリンピック委員会からも噴出している。

IOCが示した延期の可能性については、安倍首相も23日、国会で容認する考えを明らかに。

安倍首相「IOCの判断は、私が申し上げました完全な形の実施という方針に沿うものであり、仮にそれが困難な場合には、アスリートの皆さまのことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ないと考えています」

これまで、予定通りの開催を強調していた大会組織委員会の森喜朗会長。

22日夜、バッハ会長らと行ったという電話会談の内容を明らかにした。

大会組織委員会・森喜朗会長「中止ということについては一切議論をしない、あり得ないということでありました。延長の件については、議論をしないわけにはいかないということでありました。いろんなところからいろんな声があるのに、それをふまえて“最初の通りやるんだ“と言うほど、私も愚かではない」

オリンピックの延期が現実味を帯び始めた中で、多くの人が気をもんでいる。

聖火ランナー「開催されるのかどうなのか、いつもドキドキしながらニュース見てます」

23日、東日本大震災の被災地、岩手・大船渡市に展示された、東京オリンピックの聖火「復興の火」。

聖火リレーは、3日後の3月26日から福島県をスタートし、日本全国を回って、開会式場の国立競技場を目指す。

もし延期となった場合、聖火リレーはいったい…。

ツイッターへの書き込み「聖火リレーは、途中でやめるのかな?」、「延期になったらいったん消して、またギリシャから持ってくるのかな?」

延期への不安は、この会場でも。

日本武道館 三藤芳生常任理事・事務局長「ほとんど全館改修を行いました。100億円くらいかかったわけですけど」

大会本番で、柔道や空手などが行われる日本武道館。

延期の時期によっては対応できないという。

日本武道館 三藤芳生常任理事・事務局長「ことしの10月から来年の3月まで、(コンサートなどで)空き日がほとんどない。ここでの開催は不可能です」

IOCによる決断のタイムリミットは4週間。

安倍首相は23日午後、厳しい現状認識とともに、今後の対応について述べた。

安倍首相「オリンピックについて言えば、現在できるかといったら世界はそんな状態ではない。アスリート・観客が安心できる形で開催したい」

(2020/03/23)

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